満腹ダイエット
2006年6月

ブブは太かった。

154cm、92kg。36才女、3人のまだ幼い子供のママである。

ブブは痩せたかった。今までダイエットも何度も経験してきた。うまくいったこともあれば、リバウンドも経験済みだ。

子供の頃から太めだったが、大学入学の頃には受験勉強のストレスもあって80kgの大台に乗ってしまうありさま。
2年かけて50kgにまで痩せたが、知識もなく食べないダイエットで痩せていったのだった。

この頃は若かった。
体にたいした影響もないように思えた。
今から思うと、月経が乱れたり、お通じが激減したり、髪が大量に抜けたり、ずいぶんと食べないでいた後、急に食べたオムライスで胃がびっくりしたのかお腹の激痛で動けなくなってしまったりとちょこちょこ危険なサインはあったように思う。

結婚し次々に子供が産まれ、ママとして大忙しの生活を送る中、自分の体にはトンと無頓着に逆戻り。ブブは年を追うごとに太っていった。

気づけば92kg。一番下の子が幼稚園に上がった頃であった。
まずい。このままでは女を捨てるどころか病気を招いてしまう。なんとかダイエットしなければ。ブブは焦っていた。

しかし体重は92kg。食べないダイエットは子供たちの手前、もはややりづらい。
毎日「食べなさい。残してはいけません」と教えている母親であったからだ。
若い頃と違い、食べないでいるストレスに打ち勝てるとも思っていなかった。自信はなかった。

太っていることの悪影響が体に信号となって現れてきはじめてもいた。
糖尿病の検査には予備軍で引っかかるし、夏の初めには体に赤い斑点ができるようになっていた。
きっと病院にいけば帰ってこれないだろうと、密かに怯えていた。TVの番組で病気の特集とかあると怖くて見れず、すぐにチャンネルを変えていた。

病院が嫌いだった。怖いし雰囲気が嫌いだ。
できれば行きたくない。
けれどこのままでは数年の内に医者にかかることになるかもしれない。
なんとかしなくては。そんな時、近所に新しいスポーツクラブがオープンすることをチラシで知った。

スポーツはあまり今までやってこなかった。
小さいときに水泳を習っていたくらいで、中学高校でのクラブも文化部だったし、関わりのない生活をしてきた。なので運動は得意ではないが、別に取り立てて嫌いというわけでもない。嫌いではないというより何かを言えるほどの経験がなかった。
泳いだ後の爽快感とかも覚えている。
病院に近い将来通うことになるくらいなら、ちょっと運動でもしておけば病院行きを回避できるんじゃないかな?
ぐらいの気持ちで入会した。

入会時のインストラクターによるカウンセリングでは、血圧や体脂肪の測定も付いていた。

ブブはドキドキしていた。入会を断られるのではないかと思っていたからだ。血圧が高かったからだ。
完全に高血圧の部類に入っていた。
記録はしていないが上は150は超えていたし、下も100は上回っていた。何度も量りなおしなんとかクリアー。
しかし体脂肪は、49,7%、BMIは38,3という驚異的な数値だった。
(注:BMIとはBodyMassIndexの略で体重÷身長の二乗で計算します。18,5未満は低体重、18,5~24,9は普通体重、25,0以上は肥満とされます)

担当のインストラクターは何kg痩せるのを目標にしますか? と聞いてきた。

ブブ   「とりあえず10kgでお願いします」

インストラクター   「どれぐらいの頻度で来店されますか?」

ブブ   「一週間に一度かな~ いや実際は10日に一度くらいです」

インストラクター   「・・・10kg減でしたら週に2回は来ていただかないと厳しいかと思います」

ブブ  「ですよね~ 頑張ります」

種目は水泳をチョイス。
幼いとき唯一と言っていい経験あるスポーツだったからだ。
また巨体には水中の方が足に負担もなく動くのも楽かな~と思ったこともある。

初めは10日に一度だった水泳の日々を徐々に増やしていき2月の入会時から6月の時点で週2回にまでもってきていた。
だが、食事は全く変えていず、いやかえって運動をするようになり気持ちよくお腹も空くので食べる量は増えていたかもしれない。
体重は変わらないままだった。